【衝撃の事実】ドローン外壁調査をプロが解説
こんにちは!ドローンパイロットの藤本ひろき(@drone_fujimoto)です!
今回のテーマは「ドローン外壁調査について徹底解説」というテーマでお話しを進めていきます。
現在、ドローンはただ飛ばして空撮をするだけのものでなく、外壁調査や農業散布などのビジネスで使われることも多いです。
今回は、DRONE QUEST(ドローンクエスト)の梅野さん(以下敬称略)をお招きして、ドローン外壁調査について徹底解説していこうと思います。
YouTubeでも解説しています
自己紹介
梅野:DRONE QUEST(ドローンクエスト)の梅野と申します。弊社は、赤外線カメラを搭載したドローンを活用しての外壁調査を実施している会社です。
ドローンの外壁調査は需要が高まり、実態や単価など気になっている方も多いはず。
ドローンを使った外壁調査とは
ドローンを使った外壁調査は、具体的はどういったことするのですか?
梅野:外壁調査について、まずお話をしていくと法令点検(12条点検)と言われるもので、必要な調査になっています。特定建築物に該当する建物は、「10年に1回、必ず外壁の検査をしなさい」という必要な点検になります。
例えば、タイルが剥落して下を歩いてる方に落ちて怪我をさせるリスクがあるので、そのような危険を防ぐために、そのような法律が決まっています。
あるいは、建物が大規模修繕が必要なのかどうかという判断でも、ドローンが活躍しています。
外壁調査でドローンを使うメリット・デメリット
外壁調査でドローンを活用するメリットやデメリットを教えてください。
梅野:まず、メリットについてお話しします。外壁調査ですが、これまで基本的に打診棒というものを使ってタイル面のチェックをする、人が外壁に接触をして調査するのが一般的でした。
その場合、高い建物は足場を設置したり、ゴンドラや高所作業車などを導入するために、必ず仮設工事が必要でした。
ドローンを外壁調査に活用することで、この仮設工事の必要なく、外壁調査を実施できるため仮設工事に関わるコストがを削減することができます。
その他のメリットとしては、作業員の高所での作業が必要なくなるので、安全性もかなり高いことがメリットとして挙げられます。
さらに、調査時間も作業員が打診棒で叩くという現場での作業時間が大幅にカットすることができます。
点検にかかるコスト
仮設工事をする場合に比べてドローンでの点検コストはどのくらい下がりますか?
梅野:足場の仮設工事と比べると規模にもよりますが、ドローンで点検検査する場合、10分の一くらいに抑えられるケースもあります。
特に、巨大なビルなどになると、その仮設工事のコストも莫大なものとなります。ゴンドラの場合でも三分の一から半分の費用に抑えることが可能です。
点検にかかる時間
時間的には、ドローンで外壁点検する場合、どれほど削減できるのでしょうか。
梅野:ドローンでの外壁調査は、赤外線を使う調査になるので、外壁に日照が当たっていることが必須条件になるため、一日必要になります。言い方を変えると、一日で基本的には、点検検査は終了します。
外壁調査に使われる機体
外壁調査に使うドローンについて、具体的に教えてください。
梅野:弊社が使用しているドローン機体は、Matrice(マトリス)300RTKという機体に、H20Tというカメラを装着して、外壁点検を実施をしています。
これは、いわゆる赤外線調査、外壁の浮きまで検出するということを目的にしているので、弊社は赤外線カメラ搭載の機体を使用しています。
ただし、お客様の要望によっては、今おっしゃったMiniシリーズ、我々が所有する機体ですとMini3ProやAir2Sなどを使用するケースもあります。
普通の写真で、ひび割れを検出したり、シールの劣化を検出したりする、目に見える不具合箇所を検出する手段においては、比較的安価な機体を選択することもあります。
初期費用と単価
ドローンの外壁点検をしたい方の初期費用や単価を教えてください。
梅野:初期費用においては、正直どのぐらいの規模で仕事を請け負うのかにもよりますが、弊社の場合は大体1000万円ぐらいの初期費用がかかってます。
弊社がいただく費用感としては、外壁調査一件あたりの平均はおおよそ70万円前後です。一番高い場合は、タワマンションで250万円ほどの受注の場合もあります。
外壁調査市場がどんどん大きくなってくれば、ドローンの外壁調査でしっかり稼いでいくことも可能になるのではないでしょうか。
空からの点検となると、単価も高い業界ですね。
必要なスキル
ドローンの外壁点検を行う際のスキルや知識を教えてください。
梅野:ドローンの操縦のスキルは、一定数必要になってきますし、あとは機体における知識っていう部分ももちろん必要になってきます。
あとは、赤外線を使って調査をするので、赤外線の知識やメカニズム、どのような部分・環境ではできないのかという部分の知識が、もちろん必要です。
あとは、対象になるものが建物のため、もちろん建物の知識というのは必要になってきます。
今、お伝えした知識が逆に分かってないと実施するのは、正直、非常に危険かなと思います。
必要な資格・免許
ドローンの外壁調査で必要な資格や免許を教えてください。
梅野:厳密に言うと、ドローンの資格自体は不要ですが、調査で実施する上で対お客さんがいる以上、今ではドローン国家資格もあるため、弊社のチーフパイロットも一等の資格を取得中です。
ドローンの資格は取得しておくべきかなと思っています。それに合わせて、赤外線で建物を診断するという行為が主な仕事になってくるので、我々が持っている資格ですと、「赤外線建物診断技能士」という資格があります。まずは、その資格は取っておくべき資格かなと思います。
ドローン国家資格について
お客様からドローン国家資格取得の確認はありますか?
梅野:現在は、国家資格を持っているからといってプラスのものがあるかと言われると、まだ出てきてはいないかなと思います。
ただし、国家資格を持っている権威性であったり、国の仕事を受注するとなると国家資格を持ってますか、持ってませんかという部分の記述がある場合もあるので、やはりこれからは、車の免許と同じように国家資格というものが必要になってくる、そういった時代も想像できるかなと思います。
今、国家資格を取得しようとしていらっしゃるのであれば、国家資格というものは取っておいた方が良いのではないでしょうか。
事業にするまでに苦労したこと
梅野さんがこの事業化する過程で苦労したことはありますか?
梅野:ドローン自体が、正直まだまだ黎明期かなと思います。
いわゆる法律が変わったり、世の中のニュースを見ていても、ドローンというものがチラチラ目に入ることが多くはなりましたが、世の中自体がまだドローンを深く知らない。
印象として、「2015年に首相官邸にドローンが墜落しました」という、そういったイメージがある方が多く、ドローン=怖い・危険だと思ってる方もまだまだ多いと思います。
安全性という部分や赤外線自体の信憑性の部分、検査をする上で打診と比べてどうなのかという論点を考えていらっしゃる方も多い。そういった方でも理解できるように説明する必要があり、その前提となる知識が必要なので、そこが最初、本当に苦しんだ時期でもあります。
ドローンの資格取得後のステップ
ドローンの民間や国家資格取得後のステップを教えてください。
梅野:外壁調査というものが何なのかについてのリサーチや需要がどこにあるのか、そのような部分を片っ端から調べることが必要かなと思ってます。
ドローンの操縦だけでなく、リサーチ能力は大切ですね。
梅野:正直、私の感覚としては、ドローンの知識は全体の中のビジネスの中の一割ぐらいかと思います。
ドローンを何と掛け合わせるかという部分が、この市場を作っているポイントになってくるかなと思うので、この何を掛け合わせるかという部分で、我々は赤外線や外壁調査っていうものを選択しています。
ドローンはドローンの知識があって、外壁調査は外壁調査の知識があると区分けして考えておく必要が大切です。
注意点やアドバイス
これからこの業界に入りたいと思っている方に注意点やアドバイスをお願いします。
梅野:まだまだドローンというものが、黎明期に当たるかなと思っていますので、このドローンの市場規模が大きくなる中で、事故が起こってしまうと「ドローンはやはり事故が起こる」という印象になってしまうので、安全対策は第一優先で考えておくべきかなと思います。
アドバイスとしては、新たなもの・今までないものを作り出すことになるので、ある程度行動力が必要になるかなと思います。
まだまだこのドローンってやっている方が少ないために、成功事例いわゆる仕事になるルートというものが確率できてないので、トライアンドエラーの繰り返しが必要になります。
私も営業する上で、どういったところに営業したらいいのか、どういった方に需要があるのかと考えながら動いていても、たまに怒られることもあります。
そうした上では、鋼の心も必要になってきます。生半可の気持ちではなく、ある程度覚悟持って、ひとつの市場を作るその一員なんだという、そのぐらいの気持ちを持って、取り組むことも必要なのかなと思います。
まとめ
今回は、「ドローン外壁調査について徹底解説」というテーマで、DRONE QUESTの梅野さんに解説していただきました。
このブログが良かったよ、為になったよという方は、またブログに遊びにきてください。新しいドローンについての情報も随時、ブログ記事でご紹介していきます。
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今回も最後までありがとうございました!